花自動車の原形は、路面電車にさまざまな装飾をほどこした「花電車」。その歴史は明治時代にさかのぼり、西鉄の前身である九州電気軌道(株)や福博電気軌道(株)が路線の開通式などで走らせたという記録が残っています。戦後初めて花電車が福岡の街を走ったのは1947年。日本国憲法の施行を祝っての運行で、戦争の痛手が残る街に華やかな灯をともしました。そして遅くとも1949年には、博多どんたくでの運行が始まっています。1974年のオイルショックの時は、さすがの花電車も電飾をしないまま走りました。その後、路面電車の廃止にともない、1977年から花自動車へと姿を変えましたが、常に世相を反映した装飾は、博多どんたくの祭り気分を盛り上げています。

花自動車のここが知りたい
Q1.花自動車はいつから走っているの?

Q2.花自動車にはいったいいくつの電球がついているの?
花自動車には1台に1,000球のLED電球がついています。
この電球を明るく輝かせるために車両には専用の発電機を搭載しています。
LED電球なので、白熱電球を使っていた頃より随分省エネになりました。
また、2022年度からボディ部分を囲っていた木製のカバーを金属製に変更し、
木材を無駄に廃棄しないSDGsへの取り組みも行っています。
Q3.あれだけ華やかな花自動車。作りあげるのにどれくらい時間がかかるの?

どんなテーマで飾り付けるかの企画には3か月、実際に組み立てるのには1か月かかります。
今年は、コロナ禍で実に3年ぶりの花自動車です。誰もが知っている昔話から「ももたろう」を選びました。
福博の街に「ももたろう」が走って、鬼退治ならぬコロナを吹き飛ばしてもらいたい願いを込めました。
また、もう1台は福岡にいつも元気を与えてくれる「ソフトバンクホークス&アビスパ」を題材にしています。
花自動車を見かけたら元気よく手を振ってくださいね。
Q4.花自動車を運転しているのは誰?
バスの営業所の推薦を受けた運転士です。「花自動車を運転したい」と希望者はかなりいますので、選考には苦労します。どんたくでは多くの皆さんの視線と電球の熱の暑さで、額に汗してハンドルを握ります。